長期療養施設入所者の薬剤耐性グラム陰性菌の口腔と直腸への保菌状況と死亡との関連

介護老人保護施設及び特別養護老人ホームでの薬剤耐性菌の調査報告

緑膿菌の保菌は有意に死亡率と関連することが明らかに

長期療養施設(介護老人保健施設(保健施設)、特別養護老人ホーム(特養))は、JANIS等のサーベイランスが及んでおらず、薬剤耐性の実態が不明であり、国の薬剤耐性アクションプランにおける動向調査の強化対象となっている。保健施設3施設と特養3施設の入所者計178名の口腔と直腸の耐性菌保菌調査を行った。検出菌の全ゲノム解析を行い、経過の追えた146名の臨床情報・予後との関連を解析した。その結果、入所者の便検体の42.7%(保健施設28.4%, 特養51.4%)からESBL産生菌が分離された。また、ESBL産生菌と緑膿菌の分離頻度は経腸栄養実施者で有意に高かった。さらに、予後との関連解析の結果、ESBL産生菌の保菌は死亡率と関連しない一方、緑膿菌の保菌は有意に死亡率と関連することが明らかになった。

本研究は,独立行政法人日本医療研究開発機構(AMED)の「新興・再興感染症研究プログラム」(助成番号:JP21fk0108604)及び厚生労働科学研究費の「新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業」(助成番号:JPMH19HA1004, JPMH22HA1002)の支援を受けて実施された。

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