ヒトパピロマーウイルス(HPV)ワクチンの積極的勧奨が再開
市民公開講座「子宮頸がんとHPVワクチン」
子宮頸がんは,20歳から40歳代の女性で増加傾向にあります。子宮頸がん検診は,特に気になる症状や心当たりがなくても,成人女性ならどなたでも受けることが推奨されている検査です。将来の健康を守るために,2年に1回検診を受けましょう。 今回,「おしえて子宮頸がん検診のコト」と題し,東北大学病院産婦人科の石橋ますみ先生に講演いただいた動画を公開します。 この動画は,宮城県と中外製薬株式会社の「がん啓発及びがん検診の受診率向上に向けた包括的連携に関する協定」に基づく取り組みとして制作されたものです。ぜひご覧ください。
ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症とは
ヒトパピローマウイルス(HPV)は特殊なウイルスではなく、多くの人が感染し、その一部が子宮頸がん等を発症します。100種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がんの約50%~70%はHPV16、18型の感染が原因です。
HPVに感染すること自体は特別なことではなく、性交経験がある女性であれば誰でも感染する可能性がありますが、子宮頸がん発症にまで至るのは稀です。HPVに感染すると、ウイルスが自然に排除されることもありますが、そのままとどまることもあります。長い間排除されずに感染したままでいると前がん病変を経て子宮頸がんが発症すると考えられています。
子宮頸がんは近年20~30代で増加しているのが特徴で、ごく初期のがんを除いては子宮摘出となる可能性があり、その場合は妊娠や出産に影響します。
子宮頸がんの一部(HPV16型と18型によるもの)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種により予防できますが、すべての型の感染を防ぐことはできません。そのため、感染していたとしても早期に発見できるよう、20歳になったら子宮頸がん検診を受けることが大切です。
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期予防接種
接種対象者
小学6年生から高校1年生相当年齢の女子
接種期間
小学6年生の4月1日から高校1年生の3月31日まで
ワクチンの種類・接種スケジュール
種類 | (2価)サーバリックス® | (4価)ガーダシル® |
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効果・効能 | ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、16型、18型の感染及び前がん病変の予防 | ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、16型、18型ウイルスと、尖圭コンジローマ等の原因となる6型、11型ウイルスの感染及び前がん病変の予防 |
接種回数 | 3回 | 3回 |
接種間隔 | 【標準的な接種間隔】 1か月あけて2回目、1回目から6か月以上あけて3回目を接種する。【上記の方法をとることができない場合】 1か月以上あけて2回目、1回目から5か月以上、かつ2回目から2か月半以上あけて3回目を接種する。 | 【標準的な接種間隔】 2か月あけて2回目、1回目から6か月以上あけて3回目を接種する。【上記の方法がとることができない場合】 1か月以上あけて2回目、2回目から3か月以上あけて3回目を接種する。 |
※ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、初回の接種で使用した同一ワクチンで、3回の接種を完了してください。
(途中からもう一方のワクチンの接種を行うことは、効果や安全性が確認されていません。)
※初回接種から3回目の接種までは、6か月程度を要しますので、計画的に接種してください。
他のワクチンとの接種間隔
HPVワクチンは不活化ワクチンのため、コロナワクチン以外のワクチンとは同時接種ができ、接種間隔の制限はありません。
しかし、コロナワクチンとの同時接種はできません。接種間隔は、なか13日以上の間隔をおきます。