導入事例 ─ 多剤耐性菌による院内感染対策
過酸化水素でもオゾンでも
除菌できなかった多剤耐性菌を、
施工後ゼロに。そして2ヶ月以上検出せず。
2剤耐性アシネトバクターの院内感染により、ICUの大半を閉鎖し患者受け入れを制限していた公的医療センター。複数の除染を繰り返しても菌が残るなか、KOHKIN LABの抗菌施工が選ばれました。
01 ── 背景
院内感染の発生、そしてICU閉鎖へ
多剤耐性菌による院内感染は、患者さまの生命に関わるだけでなく、病棟の閉鎖・受け入れ制限という形で病院経営そのものを揺るがします。本事例の医療センターでも、事態は段階的に深刻化していきました。
- 発生
2剤耐性アシネトバクターによる院内感染が発生
術後ICUを中心に、複数の患者から2剤耐性アシネトバクターが検出。感染患者の中から死亡例も発生し、事態は地方紙で報道されるに至りました。
- 拡大
ICUの大半を閉鎖、患者受け入れを制限
感染拡大を防ぐため、ICU24床の大半を閉鎖。手術・救急の受け入れ制限を余儀なくされ、地域医療への影響が長期化していました。
- 膠着
繰り返しの除染でも、菌は環境中に残り続けた
清掃・消毒の強化に加え、過酸化水素による除染やオゾン燻蒸などの環境除染を複数回実施。しかし環境検査では菌の検出が続き、ICU再開の目処が立たない状態が続きました。
- 転機
KOHKIN LAB(株式会社HONU)の抗菌施工を採用
「除染を繰り返しても落ちない菌を、面で抑え込む」アプローチとして、当社の触媒コーティングによる抗菌施工が選定されました。
02 ── 課題
「その瞬間の除菌」では、戻ってくる菌を止められない
過酸化水素やオゾンによる除染は、実施した瞬間の菌を減らす点では有効な手法です。しかし効果は施工時の一回限りで、人と物の出入りがある限り、菌は環境表面に再び定着します。
過酸化水素除染・オゾン燻蒸
燻蒸の瞬間は除菌できても、処理後の表面に持続的な抗菌力は残りません。稼働中の病棟では、除染→再汚染のいたちごっこになっていました。
清掃・消毒の強化
頻回の清拭でも、ベッド手摺りや台車、シンク回りなど手が触れる箇所は数時間で再汚染が進みます。人手による管理だけでは限界がありました。
03 ── 施工
徹底除菌の上に、持続する抗菌の膜をつくる
当社の施工は2段構えです。まず環境表面の菌を物理的・化学的に徹底除去し、その上で触媒コーティングを施工。表面に定着した触媒が、付着した菌の再増殖を継続的に抑え込みます。
STEP 1
徹底除菌・洗浄
ベッド手摺り・医療機器・台車・シンクなど、手が触れるすべての環境表面を対象に、リセットレベルの除菌洗浄を実施します。
STEP 2
触媒コーティング施工
清浄化した表面に抗菌触媒を均一にコーティング。光のない場所でも働く触媒が、表面に付着した菌の増殖を持続的に抑制します。

04 ── 結果
施工後から2ヶ月、3回の検査すべてで「検出せず」
施工後、外部の微生物検査機関による環境拭き取り検査を3回にわたり実施。赤台車・ベッド手摺り・汚物シンクのいずれの採取ポイントでも、対象の2菌種は検出されませんでした。
| 採取ポイント | 1回目2019/12/6 | 2回目2019/12/18 | 3回目2020/2/6 |
|---|---|---|---|
| 赤台車 | 検出せず | 検出せず | 検出せず |
| ベッド手摺り | 検出せず | 検出せず | 検出せず |
| 汚物シンク | 検出せず | 検出せず | 検出せず |
🔬この結果は当社の自己申告ではなく、外部の微生物検査機関による環境微生物調査の報告に基づくものです。施工エリアの培養検査結果(採取ポイントごとの培地写真を含む)として記録されています。
05 ── 世界的背景
これは一施設の問題ではなく、
世界が「脅威」と認識する課題です
抗菌薬が効かない薬剤耐性菌(AMR)の広がりは、いまや一つの病院のなかにとどまる話ではありません。国連やWHO、主要国の政府が、人類規模の脅威として対策を呼びかけています。
約1,000万人 / 年(2050年予測)
有効な対策を講じない場合、2050年には薬剤耐性菌による感染症の死者が全世界で年間約1,000万人に達し、がんによる死者数を上回ると報告されています(オニール・レポート)。
約127万人 / 年(2019年推計)
WHOの発表では、2019年に薬剤耐性菌による感染症で亡くなった人は、すでに全世界で約127万人にのぼると推計されています。
- 2013英国の主任医務官が、薬剤耐性をテロや気候変動に匹敵する健康への脅威と位置づけた年次報告を公表。
- 2014英政府委託の「オニール・レポート」が、2050年に死者年1,000万人という試算を発表。
- 2015WHO総会が「薬剤耐性に関するグローバル行動計画」を採択し、各国にアクションプラン策定を求める。
- 2016G7伊勢志摩サミット、および国連総会で薬剤耐性が国際的な議題として取り上げられる。日本も「AMR対策アクションプラン」を策定。
- 2023G7広島サミットで日本が議論を主導。国内では新たな「AMR対策アクションプラン(2023–2027)」を公表。
- 20248年ぶりに国連総会で薬剤耐性ハイレベル会合(第2回)を開催し、政治宣言を採択。
- 2026WHO総会が改訂版グローバル行動計画(2026–2036)を採択。今後10年の世界的な取り組みの枠組みを提示。
出典:薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン、厚生労働省/政府広報オンライン/英政府委託 The Review on Antimicrobial Resistance(オニール・レポート, 2014)/世界保健機関(WHO)グローバル行動計画・国連総会ハイレベル会合(2024)。数値は各推計値であり、将来を確約するものではありません。
※ 本ページの数値・検査結果は、特定施設における施工時の環境微生物調査報告に基づく実測値であり、すべての施設・すべての菌種で同一の結果を保証するものではありません。記載の抗菌・抗ウイルス性能は所定の試験条件下での試験結果です。施設名・新聞記事・検査報告書の掲載は、各権利者の許諾範囲内で行います。