HOTEL ROOM / ODOR COMPLAINTS
客室の臭いクレームは、
種類によって対応が変わります。
「なんとなく臭う」で終わらせてしまうと、換気とオゾンを繰り返すだけの数日を過ごすことになります。臭いの正体を見分けることが、販売再開までの最短距離でございます。
本記事の要点
01客室の臭いは、清掃で対応できるものと、専門施工が必要なものに分かれます
02香水臭・タバコ臭は、繊維や表面に付着しているため換気では抜けません
03シップや漢方のような匂いは、客室内に発生源が残っている可能性がございます
04臭いを消す前に、どこから出ているのかを確かめることが先決です
SECTION 01
臭いクレームは、清掃スタッフの報告から始まります
客室の臭いに最初に気づかれるのは、ほとんどの場合、清掃スタッフです。そこから客室係へ報告が上がり、当日の販売可否が判断されます。お客様からのご指摘を受ける前に現場が止めている。客室品質を守る仕組みが機能している証といえます。
ただし、報告に用いられる言葉は必ずしも正確ではございません。私どもが現場でうかがう表現は「香水臭」ではなく、「化粧品の匂いが残る」がほとんどです。臭いは主観に左右されるため、同じ客室でも人によって表現が変わります。
「臭う」だけでは対応が決まりません
換気で収まる臭いもあれば、換気を続けても一切変わらない臭いもございます。まずは種類を見分けることが、無駄な日数を使わないための第一歩でございます。
SECTION 02
客室の臭いクレーム一覧
当社がホテル・旅館からご相談を頂戴する臭いを、種類ごとに整理いたしました。
| 臭いの種類 | 考えられる発生源 | 換気・清掃での対応 |
|---|---|---|
| 香水臭 (化粧品の匂い) | 香水、ヘアオイル、ボディミスト。扉付近・カーペット・ハンガー周りに付着 | 困難。専門施工が必要 |
| お香の匂い | 持ち込まれたお香、ルームフレグランス | 困難。専門施工が必要 |
| 衣類からの移り香 | 香り付き洗剤・柔軟剤。クローゼット内に滞留 | 程度による |
| シップのような臭い | 持ち込まれた製品、または客室内に残された物 | まず発生源の特定を |
| 漢方のような匂い | 落下物が電熱部分で焼けている可能性 | まず発生源の特定を |
| カビ臭 | 空調内部、浴室、湿気のこもる箇所 | 分解洗浄が必要 |
| タバコ臭 | 壁紙・天井・カーテン・空調内部に付着したヤニ | 困難。専門施工が必要 |
※当社がホテル・旅館からご相談を頂戴した内容にもとづく整理です。
SECTION 03
香水臭・化粧品の匂い
なぜ換気とオゾンでは抜けないのですか
香水の香りは、トップノート・ミドルノート・ラストノートという3つの層で構成されております。オゾンによる脱臭で分解できるのは、表層にあたるトップノートまでです。処置の直後は薄まったように感じられても、残っているミドルノート・ラストノートが時間の経過とともに再び立ち上がります。
加えて、香水やヘアオイルの香料には油分が多く含まれます。油分は空気中に漂うことなく、繊維や表面に付着して留まります。空気を入れ替えても、付着したものは動きません。
残留が集中するのは、扉を入ってすぐの空間・カーペット・ハンガー周りの3箇所でございます。
とりわけハンガー周りは見落とされやすい箇所です。入室された瞬間に感じられるにもかかわらず、ベッド周りを確認しても発生源が見つからない。そうした場合、クローゼット内に香りが滞留している可能性がございます。
SECTION 04
お香・衣類からの移り香
ご相談の内容は、香水そのものに限られません。持ち込まれたお香やルームフレグランス、香り付き洗剤による衣類からの移り香も、客室に残ります。
香りの習慣は国や地域によって大きく異なります。訪日のお客様が増えるほど、客室に持ち込まれる香りの種類も広がります。清掃スタッフが「これまで嗅いだことのない匂い」と報告される場合、こうした背景があると考えられます。
SECTION 05
シップのような臭い、漢方のような匂い
換気を続けても変わらないのは、なぜですか
シップのような臭い、漢方のような匂い。こうしたご相談も頂戴いたします。共通しているのは、香水臭ともタバコ臭とも異なり、客室内に発生源そのものが残っている可能性があるという点でございます。
施工現場より
客室に漢方のような匂いが充満していた事例
調査の結果、デスクカウンターから落下した薬の束が冷蔵庫の背面に入り込み、電熱部分で焼けていたことが判明いたしました。香水でも清掃用品でもなく、焼けた漢方薬の匂いでございます。発生源がその場にある限り、換気を続けても状況は変わりません。
このような臭いにお心当たりがある場合、消臭に着手する前に、家具の背面や下部をご確認ください。冷蔵庫、テレビ台、デスク、ベッド下。落下物が入り込みやすく、点検の手が届きにくい箇所でございます。
原因の分からない臭いでお困りではありませんか。
まずはご相談のご連絡をいただければ幸いです。
SECTION 06
カビ臭とタバコ臭
カビ臭は、客室ではなく空調を疑ってください
湿った土のような匂いを感じられる場合、発生源は客室そのものではなく空調内部であることが少なくございません。空調を運転した際に強まるかどうかが、判断の目安となります。表面の清掃では届かないため、分解洗浄による対応が必要でございます。
タバコ臭は、付着したヤニが原因です
壁紙、天井、カーテン、空調内部に付着したヤニが臭気を出し続けます。香水臭と同様、空気を入れ替えても付着したものは動きません。禁煙室として運用される場合は、洗浄と触媒施工による対応が必要でございます。
SECTION 07
消臭の前に、発生源を確かめてください
当社が施工に先立ち客室トリアージ(客室ごとの臭気・損傷の確認)を必ず実施しているのは、こうした事例があるためです。臭いの種類が違えば、必要な対応も変わります。
1客室内に発生源が残っていないか
冷蔵庫の背面と下部、デスク周り、ベッド下、クローゼット内。落下物や忘れ物が入り込みやすい箇所を確認いたします。
2空調の運転で臭いが変わるか
運転時に強まる場合は空調内部、変わらない場合は客室内の付着が疑われます。
3時間を置くと戻るか
換気やオゾンで一度薄まっても翌日に戻る場合、香水臭の可能性が高くなります。繊維や表面に付着した香料が、時間の経過とともに再び立ち上がっているためです。
FAQ
よくあるご質問
Q.臭いの種類はどう見分ければよいですか。
空調の運転で強まるならカビ臭、換気で一度薄まっても翌日に戻るなら香水臭、換気を続けても一切変わらないなら客室内に発生源が残っている可能性がございます。
Q.清掃で対応できる臭いはありますか。
衣類からの移り香など、程度の軽いものは換気と通常清掃で収まる場合がございます。香水臭・タバコ臭・カビ臭は、繊維や機器内部に付着しているため、表面の清掃では対応が難しくなります。
Q.原因が特定できない場合はどうすればよいですか。
まずは家具の背面と下部をご確認ください。それでも分からない場合は、当社にご相談いただければ客室トリアージにより発生源を確かめます。
CONTACT
販売停止が続いている客室について、
まずはご相談ください
客室の広さ、臭気に気づかれた時期、これまでに実施された処置をお聞かせください。上記以外の特殊な臭気につきましても対応しております。まずはご相談だけでも大歓迎です。
客室禁煙化 施工実績6,000室超(2026年6月時点)
香水臭の詳しい仕組みと施工工程は、こちらをご覧ください。
タバコ臭への対応をご検討の場合は、こちらをご覧ください。
カビ臭への対応をご検討の場合は、こちらをご覧ください。