乾く条件は湿度60%以下
窓が使えない客室|乾燥に数日かかることがあります
売り止め日数を左右する条件をまとめます。
この記事の要点
01 乾燥日数は建物の条件で決まります
02 風を当てる方法だけでは室内湿度が下がりません
03 冷房運転は乾燥を妨げます
カーペット乾燥の前提条件は客室内湿度60%以下
乾燥方法を比べる前に 満たすべき条件があります。客室内湿度60%以下です。
60%を超える間はカーペットの乾燥が進みません。乾燥しない間は繊維の根元で菌が増え続けますので 雑菌臭も収まりません。乾燥方法の目的は水分を飛ばすことではなく 室内をこの数値まで持っていくことです。
乾燥方法の目的は 室内湿度を60%以下にすることです
窓が使えない客室でカーペット乾燥を妨げる条件
立地や建物の条件によって 使える手段が変わります。
窓を開けての換気ができません
換気扇の風力が弱く 室内の空気が入れ替わりません
夏場は空調を暖房に設定できないホテルが一般的です
暖房器具は火災の恐れがあり 人がつきっきりでなければ使用できません
高温多湿の地域 海沿い 粉じんの影響を受ける立地では これらが重なります。同じ洗浄でも 乾燥にかかる日数が変わります。

窓が使えない客室では湿度を下げる手段が限られます
カーペット乾燥で冷房が逆効果になる理由
空調の運転はどの施設でも行われています。問題は運転の中身です。
冷房は室温と床面の温度を下げます。温度が下がるとカーペットからの蒸発が進みません。水分が繊維の中に留まり その間も菌の増殖が続きます。乾燥を目的とした場面では 冷房運転は逆に働きます。
風で乾かす方法|ブロワーとドライヤー
ブロワー|面で風を送る
カーペット全体に風を当て 表面の水分を飛ばします。洗浄直後の水分量を落とす工程です
ドライヤー|点で狙う
椅子まわりや歩く導線など 汚れと水分が集中する箇所に直接あてます
ここで見落とされやすい点があります。風で飛ばした水分は 室内の空気に移るだけです。窓が使えない客室では その水分が外へ出ていきません。室内湿度は下がらず カーペットの乾燥もある段階で止まります。
湿度を下げる方法|除湿機
室内の水分量そのものを減らせるのは除湿機です。窓が使えない客室では これが主たる手段になります。
ブロワーで水分を空気に移し 除湿機でその水分を回収する。この2つは対で働きます。片方だけでは60%以下という条件に届きません。
投入のタイミングも結果を分けます。臭いが出てから運び込むのではなく 施工初日から客室に入れておくことで 湿度が上がりきる前に抑えられます。

風で移す 除湿で減らす この2つは対で働きます
タイルカーペットのローテーション2通り
タイルカーペットの客室では 最も確実な手段があります。臭いの出ているタイルを動かす方法です。乾燥を待たずに客室を戻せます。

タイルカーペットのローテーション 2通りの方法
パターン1|ベッド下と入れ替える
臭いの残るタイルを ベッド下の無臭のタイルと入れ替えます。客室をその日のうちに戻せます
入れ替えたタイルは乾燥が進まないため 臭いが戻ることがあります
パターン2|室外で乾燥させる
臭いが取れないタイルは 一時的に室外で乾燥させます。その間 ベッド下のタイル部分は下地のみの状態になります
下地のみになりますが ゲストには見えないため営業に支障はありません
パターン1は速さ パターン2は確実さを取る方法です。臭いの強さと 客室を戻す日程から選びます。いずれもタイルカーペットの客室でのみ選べます。ロールカーペットでは取れませんので 建物の仕様が打てる手を左右します。
臭いが出た場合のカーペットへの局所対処
乾燥が長引き 特定の箇所から雑菌臭が出ることがあります。椅子まわりや歩く導線など 汚れが集中する場所です。
この場合は高温の蒸気を局所にあて そのあとドライヤーで水分を飛ばします。全面には行いません。臭いの出ている箇所に限った工程です。薬剤の選び方は カーペット洗浄と中和にまとめています。
乾燥に時間がかかる客室でお困りでしたら
客室を戻す日数を左右するもの
乾燥にかかる日数は 洗浄方法よりも建物の条件で決まります。売り止めの計画に関わる要素を並べます。
01 施工前の客室内湿度
最も大きな要素です。数値が高い客室ほど乾燥に日数を要します
02 窓と換気扇が使えるか
窓を開けられる客室では洗浄した日のうちに大半の水分が抜けます
03 除湿機を入れるタイミング
施工初日から入れるか 臭いが出てから入れるかで日数が変わります
04 カーペットの仕様
タイルカーペットであれば 最後の手段としてローテーションを選べます
湿度の高い客室から先に着手すれば 乾燥に充てる日数を長く取れます。施工の順序が販売可能日を左右します。実際の現場の記録は カーペット洗浄後の雑菌臭をご覧ください。
引き渡し後の数日間の管理
施工が終わった時点で乾燥が完了しているとは限りません。カーペットの水分が抜けきるまでの数日間も 工程の一部として扱います。
この期間に必要なのは冷房ではなく除湿機です。空調だけを運転しても 室内湿度は60%を下回りません。除湿機を設置したままにしていただくよう 施工前の打合せでお伝えしています。
当社が標準にしていること
禁煙化施工の累計
6,000室超
1室あたりの計測項目
4項目を施工前後で
客室内湿度 空調風速 換気扇風速 浴室排水を1室ずつ計測し 客室番号ごとに記録します。フロア単位の平均ではありません。乾きにくい客室を施工前に把握し 着手の順序に反映します。
施工の範囲と進め方は ホテル客室のカーペット洗浄をご覧ください。
よくあるご質問
Q カーペット洗浄後はどのくらいで乾きますか
A 室内の湿度によって変わります。窓を開けられる客室であれば洗浄した日のうちに大半の水分が抜けますが、窓が使えず室内湿度が75%を超える環境では数日を要することがあります。客室内湿度60%以下が乾燥の前提条件になります。
Q 送風機だけでカーペットは乾きますか
A 風を当てて飛ばした水分は室内の空気に移るだけです。窓が使えない客室では、その水分が外へ出ていかないため室内湿度が下がりません。ブロワーなどの送風機と除湿機を対で使う必要があります。
Q 冷房をつけておけば乾きますか
A 冷房は室温と床面の温度を下げるため、カーペットからの蒸発が進みません。水分が繊維の中に留まり、その間も菌の増殖が続きます。乾燥を目的とする場面では除湿機を使用します。
Q 夏場のホテル客室で暖房は使えますか
A 夏場は空調を暖房に設定できないホテルが一般的です。持ち込みの暖房器具も火災の恐れがあり、人がついていない客室では使用できません。室温を上げて蒸発を促す方法は現実には取れないため、除湿機による乾燥が中心になります。
Q 乾燥が間に合わない場合はどうしますか
A 臭いの出ている箇所に高温スチームとドライヤーで対処します。それでも客室を戻す日程に間に合わない場合は、タイルカーペットであれば臭いの出ているタイルをベッドの下などのタイルと入れ替えます。