PERFUME / pH
香水のpHは、
人の肌とほぼ同じです。
酸性なら中和すればよい。アルカリ性なら中和すればよい。香水臭にその手は使えません。pHが極端に振れていないからです。
本記事の要点
01香水のpHはおおむね5.0〜7.0。弱酸性から中性の範囲に調整されています
02pHが振れていない以上、中和して落とすという発想は使えません
03床や枕元に撒かれたものと想定して、洗浄の範囲を決めています
04洗浄の対象は油分。すべての香水に効く洗浄剤はありません
プレスリリース2026年7月27日 配信

客室の香水臭対策を本格提供開始。オゾンでは残るミドル・ラストノートに、中性洗浄と三元触媒の2日間工程で対応
2026年8月1日より、香水臭対策を正式なサービスとして提供します。全文はリンク先をご覧ください。
SECTION 01
答えは、弱酸性から中性です
香水は酸性ですか、アルカリ性ですか
香水のpHは、おおむね5.0から7.0の範囲に調整されています。弱酸性から中性、つまり人の肌とほぼ同じ値です。この設計には2つの理由があります。
肌に直接つけるものだから
酸性やアルカリ性に寄った液体を、肌に載せることはできません。刺激を避けるために、肌に近い値へ寄せて設計されています。
香料そのものが壊れるから
香料に多く使われるエステル類は、極端な酸性やアルカリ性の環境で分解し、本来の香りが失われたり別の匂いに変わったりします。商品として香りを保つには、中性付近に置くしかありません。主成分であるエタノールが中性であることも、pHが振れない理由の一つです。
pHが振れていない以上、中和して落とすという発想は使えません。
清掃の世界では、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を当てるのが基本です。水垢は酸性洗剤、油汚れはアルカリ洗剤。この対応関係が、香水には成り立ちません。中和すべき相手が、肌と同じ側にいるのです。
SECTION 02
撒かれたものとして、施工します
なぜ床や枕元まで洗浄するのですか
香水は肌につけるもの。そう考えて施工すると、取りこぼします。当社は、客室の空間そのものに振りかけられたものと想定して洗浄しています。
お客様が実際にどうされたのかを、私たちが見ることはできません。ただ、ご自分の香りに包まれて過ごしたいと望まれる方であれば、床や枕元にも振りかけると考えるほうが自然です。残っている香料の量と広がり方も、そちらのほうが説明がつきます。
見ていない以上、断定はしません。ただ、少なく見積もって取りこぼすより、広く見て洗浄するほうが確かです。
この想定の置き方で、洗浄の範囲が変わります。肌から移った程度の量であれば、対象は狭くて済みます。空間に撒かれているとすれば、床も枕元も、手の届く範囲すべてが対象です。当社は後者を前提に工程を組んでいます。
リネンは交換しているのに、なぜ臭うのですか
枕元のリネンは交換されます。問題は、そこから放出された香水臭の行き先です。
客室の空気は流れています。放出された香料は、その気流に従って空調の吸い込み口へ向かい、天井内に入ります。そして空調のガラリから、再び客室へ戻ってきます。この循環が繰り返されます。
扉を入ってすぐの空間で臭う理由
扉から入ったすぐ上に、空調の吸い込み口があるからです。客室中の香料がそこへ集まってきます。入室した瞬間に香るのは、偶然ではありません。
リネンを交換しても、カーペットに掃除機をかけても、循環している香料には手が届きません。清掃は行き届いているのに入室した瞬間だけ香る。そうした客室があるのは、このためです。
SECTION 03
では、何を落としているのか
中性に近いならば、なぜアルカリ洗剤を使うのですか
洗浄の対象はpHではありません。香料に含まれる油分です。当社がアルカリ洗剤を用いるのは、香水を中和するためではなく、油分を落とすためです。
香水やヘアオイルの香料には油分が多く含まれます。油分は空気中を漂わず、繊維や表面に付着して留まります。換気を続けても抜けないのはこのためです。抜けないのは脱臭が足りないからではなく、油分が残っているからです。
1中性洗剤による洗浄
まず中性洗剤で落とせる分を落とします。カーペット、ハンガー周り、カーテンが対象です。
2アルカリ洗剤による洗浄
中性洗剤で落としきれない油分に対し、続けてアルカリ洗剤を用います。香料の油分を残さないための工程です。
3三元触媒の噴霧
プラチナコロイド・銀コロイド・酸化チタンによる三元触媒を客室全体に噴霧し、繊維の奥に残った香料を分解します。
洗浄で付着物を落とし、触媒で分解する。この2段階が必要です。洗浄だけでは繊維の奥に届かず、触媒だけでは油分に阻まれます。
SECTION 04
すべての香水に効く洗浄剤は、ありませんでした
1種類の洗浄剤で対応できないのですか
できません。これは当社の経験から申し上げていることです。香水臭の洗浄を重ねてきましたが、すべての香水に適した洗浄剤は見つかりませんでした。
香水に効果があると謳っている溶剤も試しました。結果は同じです。特定の香水には働いても、別の香水には届かない。香料の成分が製品ごとに違う以上、当然の結果だったと思います。
現在の当社のやり方
成分ごとに使い分けられるよう、豊富な種類の洗浄剤を現場に持参します。そのうえで、実際に試しながら効くものを見極めていきます。トライアンドエラーの繰り返しです。
効率的とは言えないやり方です。それでも、1本の万能薬を探すよりは確かでした。香水臭の施工に2日間をいただいているのは、この試行の時間を含んでいるためでもあります。
SECTION 05
施設側で市販の洗剤を試す前に
香水のpHが肌に近いことをご存じないまま、酸性やアルカリ性の強い市販洗剤を当ててしまう例があります。落ちないだけであれば構いませんが、それ以上のことが起きる場合があります。
1素材が変化することがあります
カーペットやカーテンにアルカリ性の強い洗剤を当てると、変色や風合いの変化が起きることがあります。臭いは残ったまま、客室の見た目だけが変わる結果になりかねません。
2臭いが混ざり、判断できなくなります
洗剤自体の香りが加わると、香水臭がどの程度残っているのかが分からなくなります。販売を再開してよいかどうかの判断ができなくなります。
3施工の難度が上がります
複数の薬剤が入った状態からの洗浄は、何も手をつけていない客室より手間がかかります。結果として売り止めの日数が延びます。
換気で収まらないと感じられた時点で、一度ご相談ください。何もされていない状態であれば、そのぶん判断も施工も早く進みます。
市販の洗剤を試される前に、一度ご相談ください。
対応の見通しをお伝えします。
FAQ
よくあるご質問
Q.香水は酸性ですか、アルカリ性ですか。
おおむねpH5.0から7.0、弱酸性から中性の範囲です。人の肌に直接つけるものであること、香料が極端な酸性やアルカリ性で分解してしまうこと。この2つの理由から、肌に近い値へ寄せて設計されています。
Q.なぜ床や枕元まで洗浄するのですか。
客室の空間そのものに振りかけられたものと想定しているためです。お客様が実際にどうされたのかを見ることはできませんので断定はしませんが、残っている香料の量と広がり方からはそう考えるほうが説明がつきます。少なく見積もって取りこぼすより、広く見て洗浄するほうが確かです。
Q.リネンを交換しているのに、なぜ臭いが残るのですか。
放出された香料が客室の気流に従って循環しているためです。空調の吸い込み口から天井内に入り、空調のガラリから再び客室へ戻ってきます。扉を入ってすぐの空間で強く香るのは、そのすぐ上に吸い込み口があるからです。
Q.中性に近いならば、なぜアルカリ洗剤を使うのですか。
洗浄の対象はpHではなく、香料に含まれる油分だからです。香水を中和するためではなく、繊維や表面に付着した油分を落とすためにアルカリ洗剤を用います。
Q.1種類の洗浄剤で対応できないのですか。
当社の経験では、すべての香水に適した洗浄剤は見つかりませんでした。香水に効果があると謳う溶剤も試しましたが、特定の香水には働いても別の香水には届きません。成分ごとに豊富な洗浄剤を現場に持参し、試しながら効くものを見極めています。
Q.市販の洗剤を試してもよいですか。
お控えいただくほうが安全です。アルカリ性の強い洗剤は素材の変色や風合いの変化を招くことがあり、洗剤の香りが混ざると臭気の判断もできなくなります。複数の薬剤が入った状態からの洗浄は、手間も日数も増えます。
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