ホテル客室の隠蔽型空調(天井埋込ダクト型)は、分解洗浄に対応できる業者が限られます。一般的なエアコンクリーニングとは、求められる技術も段取りも異なるためです。
本記事では、なぜ隠蔽型の分解洗浄が専門的な施工なのかを、実際の作業写真とあわせてご説明します。あわせて、当社がこの施工にどう対応しているかもお伝えします。
プレスリリース2026年7月24日/PR TIMES

窓が開かない高層ホテルで「エアコンのカビ臭」相談が急増。株式会社HONU:施工体制を増強
客室で表面化する空調臭に対応するため、専門スタッフを増員し、空調本体から吹き出し口内部まで一体で施工する体制を強化しました。
隠蔽型の分解洗浄は、天井裏で行う施工です
隠蔽型空調は、本体が天井裏に収まっています。分解洗浄を行うには、まず客室の天井点検口を開け、天井裏の本体にアクセスするところから始まります。壁掛け型のように、室内で本体を目の前にして作業できるわけではありません。

客室天井の点検口を開けたところ

点検口から見た天井裏の熱交換器
本体は天井裏にあり、限られた開口部から作業します
対応できる業者が限られる、3つの理由
隠蔽型の分解洗浄には、次の3つが同時に求められます。ひとつずつご説明します。
図解|隠蔽型の分解洗浄に求められる3つの領域
1.技術
天井裏の狭い範囲で、機器を分解する
限られた開口部と天井裏の空間で、本体を分解し、内部の部品を取り出して洗浄します。
天井裏で高圧洗浄を使うため、漏水のリスクがある
水を扱う作業を天井裏で行うため、養生と水量の管理を誤ると、客室や階下への漏水につながります。
2.電源・設備
客室ごとの個別ブレーカーがない場合が多い
ブレーカーを落とすとフロア全体の電源が切れてしまう客室もあります。他の客室への影響を避けながら作業する判断が必要です。
3.運用時間
営業中のホテルで、限られた時間内に仕上げる
チェックアウトからチェックインまでの間に、分解・洗浄・復旧・試運転までを終える段取りが求められます。
図解:技術・電源設備・運用時間の3つが同時に求められる

天井裏で高圧洗浄を行っているところ

天井裏の配管とモーターまわり
水を扱う作業を、配管の入り組んだ天井裏で行います
当社がこの施工に対応できる理由
当社はこれまで、ホテル客室の禁煙化施工を6000室以上手がけてきました。そのうち約7割で、空調の分解洗浄もあわせて行っています。この積み重ねが、隠蔽型への対応を支えています。
これまでの実績
6,000室以上/約7割で空調洗浄
客室禁煙化の施工実績と、そのうち空調分解洗浄を実施した割合
電源への対応
客室ごとの個別ブレーカーがない場合、当社では基板を養生することで、ブレーカーを落とさずに作業を進められます。フロア全体の電源に影響を与えずに施工できるため、他の客室の稼働を止めずに済みます。もちろん、ホテルの設備担当者と打ち合わせのうえ、ブレーカーを落として作業する場合もあります。現場の状況に応じて、安全な方法を選びます。
分解して、内部まで洗浄する
当社の分解洗浄では、本体からファンやドレンパンなどの部品を取り外し、内部まで洗浄します。ガラリの表面を拭くだけでは届かない部分まで、一台ずつ手を入れます。

本体から取り外した部品。養生シートの上で洗浄します
床には養生を敷き、客室を汚さずに作業します
汚れは、臭いだけでなく電気代にも影響します
空調内部の送風ファンやフィルターに汚れが堆積すると、空気を十分に吸い込めなくなります。すると、設定した風量を出すために余計な電力がかかり、電気代の割増につながります。汚れは、臭いの問題であると同時に、運転コストの問題でもあります。
下の写真は、同じ機種の送風ファンの洗浄前と洗浄後です。羽根の一枚一枚に汚れが層になって付着していると、風を送る性能が落ちます。

洗浄前|羽根に汚れが堆積した送風ファン

洗浄後|汚れを除去した送風ファン
同じ機種の送風ファン。洗浄前後で状態が大きく変わります

目詰まりしたフィルター。空気の吸い込みを妨げます
フィルターの目詰まりも、風量の低下と電力の増加につながります
部屋ごとに、状態を記録してお伝えします
当社では、施工した客室ごとに報告書を作成し、支配人にお渡ししています。記載する主な内容は次のとおりです。
・機種番号/製造年月日
・風量の洗浄前・洗浄後の記録
・モーターが寿命の目安を超えている場合は、その旨
機種番号や製造年月日は、本体の銘板を一台ずつ確認して記録します。長く使われている機種では、モーターの状態もあわせてお伝えします。焦げたような臭いは、タバコ臭と受け取られることもあるため、原因を切り分けてご報告することを大切にしています。

本体の銘板を確認し、機種番号・製造年月を記録します
報告書は、支配人にお渡しする個別の資料としてお作りしています
まとめ|隠蔽型の分解洗浄は、経験のある業者へ
隠蔽型空調の分解洗浄は、天井裏での分解と高圧洗浄、電源への配慮、営業中の時間管理という、複数の技術と段取りが同時に求められる施工です。対応できる業者が限られるのは、それだけ専門的な作業だからです。
当社は、客室禁煙化6000室以上の実績と、そのうち約7割での空調分解洗浄を通じて、この施工に対応してきました。洗浄を終えた後は、点検口を閉じ、試運転で状態を確認したうえで、客室を販売できる状態でお引き渡しします。隠蔽型の分解洗浄について、施工の範囲や流れを詳しくお知りになりたい場合は、下記のページをご覧ください。

洗浄後、点検口を閉じて客室をお引き渡しします
本記事は、現場で施工を担当している責任者が執筆しています。個別の客室の状況についてのご相談は、お問い合わせフォームよりお気軽にお寄せください。